今朝春の気配がして
家族で暮らしていた春の日が突然蘇ってきた
古い社宅だったから
社宅の庭には自然がいっぱい
春にはむせ返るような緑がいっぱい
草花や虫たち
それらとともに子どもたちと夕方まで目一杯遊んだ日々
住んでいた部屋は1階だったので
家に入るとひんやりとした空気
子どもたちが夕方のNHK教育番組などを見ている間に
家族5人分の夕飯の支度
子どもたちの未来に想いを馳せ
家族が過ごしやすいように
３DKの社宅を少しでも広く快適に過ごせるように
家具の配置を工夫したり掃除などに精を出してきた
子どもたちの学費や家族の旅行の費用
将来社宅を出るときに家を購入する費用・・・
無駄を省いてしっかり計画をたてて準備していた
子どもたちのアルバム・・・
子どもたちが巣立つときに渡すために3人分をしっかり作り
自分の老後用にもベストショットの写真を焼き増しして作っていた
将来の家族のために
子どもたちのために
未来の夫婦二人の老後のために
一生懸命積み重ねていたことたち
あの日にすべて叩き壊された
私が大事に大事に17年間かけて積み上げてきたもの
家族としての未来
人生設計
費やしてきた時間
叩き壊したのは
災害や病気や事故ではない
自分が生涯かけて連れ添うと決意して
2人の間に3人の子どもを設け
夫婦として家族として二人三脚で歩いてきた相手
絆や愛を永遠に一緒に育む
という覚悟で結婚した相手
例えば
ジグソーパズル
レゴ
プラモデル・・・
時間をかけて完成を楽しみに作っていたものが
完成する前に壊れたときの喪失感を想像してみてほしい
自分の家族が
自分が連れ添ったパートナーによって壊される苦しみ辛さは
それに似ている
そして生きていた時間そのものが崩れ去るのだから
とてつもない喪失感を味わう
それだけではない
子どもたちとの暮らしを失う苦しさ
「家族」という安心を失う辛さ
自分のパートナーへの様々な喪失感
生きている意味などを問う長い長い日々が始まる
その中で苦しくて生きることをやめてしまうひとも
少なからずいる
自分の積み上げてきたものが
積み上げてきた人生が
壊れることは辛く苦しいことだ
子どもたちとの別離は
心が引きちぎられるほど辛いことだ
私も別居からは9年
離婚が成立してからは今年の秋で6年になる
・・・よくここまで頑張った・・・
最近無意識にこの言葉を
自分に掛けていることに気付いた
よくここまで頑張って生きてきたね
何もなかったところから
最初はパート
次は嘱託職員
そして今は正社員として
楽しい仕事に巡り合えた
趣味も復活して
子どものうちの一人とも繋がりを取り戻した
元夫が交際相手を見つけて付き合い始めたと知ったとき
これ以上子どもたちを傷つけたくない
子どもたちが安心して来れるお母さんでいようと思えた自分が好きだと思った
この辛さを乗り越えるたびに
自分の価値観に出会い
自分自身を見つめることで
自分自身を知った
家族が壊れたあの日
心も壊れた
けれど
よく頑張ってここまでこれた
元夫のやったことや
今現在やっていることは私には理解できない
やはり価値観自体が違っていたのだなと思うと
悲しさと同時にこうなっても仕方がなかったのかな
とも思えるようにもなってきた
あんなバカップルな行動をするという考え方は
私の中には微塵もない
彼らのやっていることは思いやりにも愛にも程遠い
ただの寂しさを補い合うだけの関係
子どもたちの気持ちを１ミリも考えていない行動
思春期の子どもたちの心がどれほど傷ついたか乱されたか
それにもお構いなしの陳腐な二人のバカげた行動
だから同じような考え方のあの交際相手は
元夫には合うのかもしれない
月日が経ち
元夫の交際相手の顔や雰囲気
息子から漏れ聞く義家の状況や元夫のこと
交際相手のいろんな情報を知ることで
妄想ではなく現実をしっかりと把握できるようになった
心の痛みや悲しみ苦しみも
何度も味わうことで
免疫がつき
家族が壊れた苦しみを手放すことが
少しずつ少しずつ出来るようになってきているように感じる
ただ子どもたちの苦しみは決して忘れてはいけない
いつも子どもたちにごめんねと
私は心の中に置いておく
これからどんな人生が展開していくかは未知数だ
だけどこれだけは必ず実現している（と信じている）
子どもたちとの関係回復
その時にまた
感慨深く
・・・よくここまで頑張った・・・
と言えるように
私は日々を一生懸命誠実に生きていく
