日々の想い

子どもたちへの想いや母の日常をつづります

あの日のこと5

その日も子どもたちの住む街へ行った

何とか会いたくても会えなかった

 

夜までいたが会えず新幹線に間に合わなくなった

やむなく24時間のレストランで夜を明かそうと思いついた

 

レストランでは寝そうになると店員さんが起こしに来る

寝てはいけない決まりらしかった

ドリンクバーを頼み朝までうつらうつらしながら

起きているふりをして仮眠をとった

 

朝5時になった

せめて子供たちが家を出る姿だけでも

見て帰りたい

 

はやる心でレストランを出た

朝の5時はまだ真っ暗だった

 

街灯のない道を携帯電話を見ながら

黙々と歩いた

 

主人とのメールのやり取りを見ながら

子どもたちの事を考えた

 

とその時

 

踏み出した足の先の地面が突然なくなった

 

田んぼに落ちたのだった

 

幸い柔らかい土の上で石などもなく

怪我はしなかった

 

代わりにズボンがどろどろになった

その足で

子どもたちがいる主人実家へ向かう

 

玄関先で子どもたちの姿を見ようと物陰に隠れて待つ

 

しかし子どもたちは出てこなかった

 

裏口から学校へ行ったのだった

 

悲しくてやりきれない気持ちになった

 

ここまで子どもと私を引き離すことが出来る人たち

 

人間の心があるのだろうか

 

本当に人の子の親であり母なのだろうか

 

私には絶対にできない

 

こんな仕打ちは出来ない

 

それが出来るこの人たちは・・・

 

考え方の本質が違っているのかもしれない

 

悔しく悲しく辛い出来事だった

 

あの人たちは臆病で弱いのかもしれない

 

私は

本当の優しさを持った強い心を持ちたい

 

そしてあの時の私に言ってあげたい

 

私はあなたの味方だよ

子どもたちに会いたいのは当然だよ

みじめな自分にならないで

あなたは暴言を吐かれたりいじめられるためにそこにいるんじゃない

あなたの気持ちはよくわかる

あなた頑張ったね

頑張ったね

 

そう言って

声をかけてあげたい

 

 

ブッダが教えた本当のやさしさ (宝島SUGOI文庫)

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思いやり

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