日々の想い

子どもたちへの想いや母の日常をつづります

長女最後の体育祭~次男との再会5

・・・次男ちゃん、これみて・・・

 

私はいつも持ち歩いている

子どもたちの写真を次男に見せた

 

一枚目は子どもたち三人と私が

社宅の前で並んでいる写真

別居になるわずか半年前の写真

 

二枚目は・・・

次男が画面いっぱいに写っている写真

まるでブロマイドのような

少しはにかんだ笑顔が可愛い

まさに次男!という雰囲気いっぱいの写真

 

次男は二枚の写真をじっと見つめた

 

・・・なんで俺だけ?(ブロマイドの写真のこと)・・・

 

・・・次男ちゃんのこの写真がすごい可愛いから お兄ちゃんと長女ちゃんのはこんな良い写真ないし、、、

あ、そうだ、お兄ちゃんはさ、本当にしょっちゅう連絡してきて会ってるんだよ・・・

 

次男は

 

・・・おかあさん、お兄ちゃんに聞いて見てほしいことがある、、なぜお兄ちゃんは嫌なのに我慢しておかあさんに会いに行っているのかって・・・

 

と言った

 

・・・嫌なのにって、、お兄ちゃんは来たいから来てると思うよ・・・

 

・・・え?お兄ちゃんに聞いて見るといい なんでおかあさんと接点を持っているのかって・・・

 

・・・いやあ、おかあさんに会いたいから来てくれてると思うよ?・・・

 

・・・とにかく聞いてみたらいい・・・

 

・・・わかった、聞いてみる・・・

 

私は次男の質問を手帳にメモした

 

・・・あ、やっぱ聞かなくていい。。。・・・

 

次男は私が質問をメモしたあと、そう言った

 

・・・次男ちゃん、次男ちゃんはいつ来る?二十歳のお祝いもしたいし、実はおかあさんさ、おとうさんに次男ちゃんに会わせてって手紙だしてたんだ・・・

 

・・・いつ?・・・

 

・・・4日前・・・

 

・・・じゃあ昨日には着いてるな、、二十歳のお祝いはしなくていいよ でも一回はおばあちゃんちに行かなければいけないっ

て思ってた 血縁だから・・・

 

・・・そうなんだ!いつ?いつ来る?・・・

 

・・・時が来たら・・・

 

次男は一点をじっと見つめていった

 

 

・・・じゃあさ、おかあさんとライン交換しとこうよ?時が来て来ようと思うときに連絡してからこないと!・・・

 

・・・ラインは、、、おかあさんの連絡先は知ってるし

もしわからなければお兄ちゃんに聞くから、ラインは交換しない!・・・

次男は慌てたふうに言った

 

私はちょっと残念だったけれど

次男の気持ちを尊重した

次男を困らせたくはなかった

 

 

「時が来たら」

 

私は次男のこの言葉をしっかりと心に刻み込んだ

 

 

・・・ねぇ次男ちゃん、かさん かさんって小さい時におかあさんのこと呼んでたよね?かさん、って久しぶりに呼んでくれる?・・・

 

・・・かさん・・・

 

・・・もう一回言ってみて・・・

 

・・・かさん・・・

 

次男は私のお願いを聞いてくれた

 

・・・ねぇ、手のひら小さい時次男ちゃんとよくくらべっこしてたよね?手のひらくらべっこしてもいい?・・・

 

次男の手のひらと私の手のひらが7年ぶりに合わさった

 

・・・次男ちゃん、大きな手になったね 握手もしていい?・・・

 

次男と私は学校に行く朝いつも握手をしていた

 

次男は握手もしてくれた

 

あんまり長く私が次男の手を握っているので

次男は親指をピコピコ動かした

 

体育祭の午後の部が始まる時間になっていた

 

・・・おかあさん、俺は午後も見ていくけどおかあさんは長女ちゃんが嫌な気持ちするから帰ったほうがいい おかあさんどうする?・・・

 

この質問の仕方は離婚のいざこざの時の

元夫と同じだなとふとおもった

 

先に結論を出しておいて それを選ばざるを得ない心境に持っていく質問の仕方

元夫と喋っているような

ちょっと不思議な気持ちになった

 

・・・おかあさん往復一万円の交通費かけて来たんだけどなあ!・・・

 

・・・一人暮らしの一万円なんてどうってことないでしょ・・・

 

次男が言った

 

・・・いやいや一人暮らしだからこそ大変なんだよ。。。

家賃もいるし、水道光熱費、食費。。。・・・

 

と私

 

・・・じゃあ、おばあちゃんちにお願いして住ませてもらったらいいじゃないか!・・・

 

・・・そんな訳にはいかないでしょ。。。それぞれの生活があるし、生活時間帯も違うしさ。。・・・

 

・・・生活時間帯なんて合わせるものだよ!・・・

 

ああ言えばこう言う次男

 

こんなやり取りさえも胸にじんときた

 

・・・で、おかあさんどうする?帰るの?帰らないの?・・・

 

本当は長女の高校生活最後の応援合戦が見たかった

 

三年生だけが踊るフォークダンスが見たかった

 

長女の笑顔をビデオに納めたかった(今回は何の競技もまだ見ていない・・・!)

 

でも次男の気持ち・・・も尊重してあげたかった

 

おかあさんは自分の気持ちをまた優先するのか?

あの時と何も変わってないのか?

 

と問われているような気がした

 

・・・わかった!おかあさん帰るよ!・・・

 

私は迷いを吹っ切ってキッパリと次男に言った

 

(長女最後の体育祭~次男との再会6に続く)