日々の想い

子どもたちへの想いや母の日常をつづります

文化祭~長女最後のステージ3 ステージ本番編

いよいよステージがはじまる

楽器を手にした吹奏楽部の生徒たちが

次々と席に座っていく

 

 

長女を見つけた

 

 

長女の座席は

私の座っている場所から

とても良く見える場所だった

 

私は前から四列目

長女は最前列の左端

目があったらきっとわかってしまう距離

手を伸ばせば届きそうな距離

 

私は二階のギャラリーに行けなかったことに感謝した

 

普段一緒にいれない私に神さまが

この特等席をプレゼントしてくれたのかもしれない

 

それに

二階のギャラリーに行っていたら

元夫にまともに遭遇していたかもしれない

 

演奏が始まった

楽しそうな笑顔の長女

もう元夫のことは視界から消えていた

 

高校生活最後のステージ・・・

感慨深いものがあった

 

別居になってすぐのときは

会いたくて会いたくて

何度も足を運んだ

でも病気扱いされ

手酷く追い返された

 

私が会わせて貰おうと

相手方のところにいくたび

義母や元夫が大騒ぎし

私を追い返すので

次第に子どもたちの心は

固く閉ざされていった

 

長男次男の受験の年・・・別居から一年半たった時

私は向こうが設定した面会(この言葉は理不尽で今でも悲しくなるが)以外には

あの家に行かないようになっていた

 

何度も追い返され心が疲弊したことも理由の一つだが

一番の理由は

 

受験期の二人の心を乱してはいけない

 

そう思ったからだった

 

それから

あの家のひとたちに私の気持ちは通じない

ということがわかってきたからだった

 

離婚が成立してからは

吹奏楽の演奏には行ける時には

どんな小さなステージにも欠かさず行った

 

最初の頃は見つかったらいけないという思いから(娘を動揺させてはいけないし、元夫に会って大騒ぎされたら子どもたちが傷つく・・・と思っていた)

マスクと眼鏡で変装して行っていた

 

長女の演奏を聞きながら

長女の笑顔を見ながら

 

私の心に長女の三年間の演奏が走馬灯のように浮かんできた

 

初めて勇気を出して見に行ったのは中学3年の文化祭

笑顔で演奏する長女をビデオに撮った

 

その時は長女にばったり会ってしまった

長女は目をまんまるくして私を見つめた

 

声をかけちゃいけない

無意識に心にブレーキをかけた

 

中学校の運動会には一度も行けなかった

 

こっぴどく追い返されたことがトラウマになっていた

 

高校生になって

吹奏楽部のブログがあることを知った

 

そのブログには

吹奏楽部が演奏するステージの予定が

大きなものから小さなものまで

詳しく記載されていた

 

行けるものには

出来る限り行った

 

スウィング甲子園という催しのときは

台風が接近していて

着いたら中止の発表が出され

そのままとんぼ返りしたこともあった

 

街の人たちのための催しの式典のオープニングに出ると知り

少し駅から遠いけどバスに乗って行ったこともある

会場が小さいから

間近に長女を見ることができた

そして

長女が最後、マイクで曲の紹介をした

 

久しぶりに聞く長女の声

少し低い声になっていたけれど

懐かしい長女の声

確かに長女の声だった

涙が出そうになった

 

そんなことを思いながら

最後のステージを目に焼き付けた

 

ステージが終わった

 

ありがとう

 

この時間に心のそこから感謝した