娘の文化祭の次の日は体育祭
あらかじめ取っておいたホテルに宿泊し娘の高校へと向かう
徒歩で行ったため思ったより時間がかかり少し遅れて到着してしまい開会式に間に合わず、吹奏楽の演奏を聴くことが出来なかった
気を取り直して席を確保
以外に空いていてすんなりと席を見つけることが出来て安堵する
娘の観覧席から一番遠い席だったが以外にもよく見える
娘のブロックのTシャツを着た子たちを凝視する
昨日の文化祭で見ていたためすぐに見つけることが出来た
2~3人でゆっくりと観覧席に向かっている
昨日とは違い穏やかな笑顔で友達と談笑しながら歩く娘を見て安堵する
例のごとくにズーム機能を最大限に駆使して娘の姿をカメラに収める
歩く娘はほっそりと背が高くて笑った顔が私にそっくりだった
もう何年娘の声を聞いていないのだろう
話をしていないのだろう
出来ないことを嘆いていても仕方がない
今こうして体育祭に来ることが出来て、娘を見つけてカメラに娘の笑顔を納めることが出来た
いまこのことに感謝をしよう
いずれ本当にまた「おかーさんあのね!」としゃべることが出来るこのことを信じて今できることをこつこつ積み重ねていくしかないのだから
午前中の障害物競走に娘はエントリーしていた
男女二組で競い合うリレー形式の競技だ
娘はスタートの走者だった
カメラを構えて固唾をのむ
ピストルの音が鳴った
あっという間にびりっけつになった
バトンタッチした男子も追い抜けず・・・
娘のチームはびりでゴールした
娘は落ち込んでいないかなと表情をうかがったがなにせ遠くてよく見えない
でもきっと大丈夫そんな気がした
お昼になった
お弁当を持ってきていないので売店でパンを買うことにした
昨日は元主人に遭遇しなかったが今日は土曜日
会社休みの日だからもしかしたら来ているかもしれないが、次男の体育祭で遭遇しなかったから平等に娘の体育祭も来ていないのかもしれない
事実午前中には一度も元主人らしき姿を見ていない
でも娘に会ってしまうかもしれないし念のためマスクをしてPTA主催の売店に行った
パンが数種類と飲み物が売られていた
パンを選ぼうとふと隣に居るひとを何気なく見上げたら・・・
元主人だった
向こうは気づいていないようだったが私はパンを取る手も震えて一刻も早くこの場から立ち去らねばと焦った
しかし飲み物も買いたい
飲み物の場所までまずは移動しなければと列を離れたら
その先の列に元主人が立っていた 笑顔で飲み物を選んでいる
やっとのことで飲み物を買い売店を離れたらなんと今度は目の前を元主人が歩いている
見慣れた服
別居になってから丸5年もたつのに相変わらず自分の服にはお金をかけないんだなぁとなんだか懐かしい想いになった
服は変わらないのにぶかぶかだった
元主人はものすごく痩せていた
以前から細い人だったけれどそれに輪をかけた痩せ方だった
ランニング用の帽子なのか見慣れない白い帽子が背の高い彼の頭をすっぽりと覆っていたので髪の毛は見えなかったが、きっと横が三分刈りで上が五分刈りなんだろうな
一緒に住んでいたときはお金の節約のためにといやがる私にバリカンを持たせ素人床屋をさせていた
こわごわ刈る私に
「もっと思いっきり刈っていいから!!」
と激を飛ばしていたっけ
その彼はどこに座るのかと思いきや・・・
なんと私の真後ろの椅子のない縁石のところにどかっと座り込みパンを食べ始めていた
一人で来たんだ・・・
いやいやそれどころじゃない💦
見つからないようにしなければ!
少し距離を置きながら私は元の席に着くと隣に座っていたおばあさんに夢中で話しかけた
まるで嫁姑が二人で体育祭に来ているように見えるようなそんな雰囲気を演出した
・・・って元主人が私に気付いていたかいないかわからないけれど
そんな小芝居をした
しばらくして後ろを見た
元主人はいなかった
ちょっとホッとしていると今度は本部席の後ろの観覧場所にいるのを見つけた
白いランニング帽子が目印のようになって彼の居場所が良く見えた
記念に彼もカメラに収めておこう
なんだか遊び心が起こった
この先次男と長女と自由に行き来出来て話が出来るようなり、長男を交えて会う日を設定出来たら・・・その時にこの日のことを笑い話で話せる
そんな気がした
出来れば本当はその時には家族が元に戻っていて
その場に元主人もいて
「おかあさん、なにやってたん!」とみんなで笑えたらいいなと思う自分がいた
やっぱり私が望んでいるのは私が望むハッピーエンドは家族が元に戻ることなのかな・・
あれだけ最後にいじめのようなことがあって、紙くずのように私も家族の歴史も捨てられたのに?
何故なんだろう
何故なんだろう
何故心から憎んだり嫌いになったりできないんだろう
私にとっては大切なものだったからだ
あの街もあの暮らしも家族も子どもたちも
そして・・・彼も
私は彼もおんなじなんだって思っていたけど彼は家族から私だけを切り捨てあの街も捨てた
そして彼の故郷に住むことを決断した
でも私はまだ信じられないでいる
心のどこかでは家族がまた笑い合えるんじゃないかって思っている
でもそれは執着なんじゃないかっていう自分もいる
支え合える誰かがいたらいいなと思うこともある
そうこう考えていたら体育祭が終わりまた元主人を見つけてしまった
どこかに電話を掛けながら足早に帰っていった
またあなたともいつか笑って会えるといいね
心の中で彼の痩せた背中にそっと声をかけた
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